09/27 9/22

曇り空で星の見えない夜だった。ベランダに出て夜風に当たりながらモーツァルトのきらきら星を聴いた。この時期になると昼間は朗らかな日差しで暖かくとも、夜になれば虫の声が聞こえて、少し肌寒くもある。向かいのアパートの女の子も長袖のカーディガンを羽織っていた。すっかり秋なのだ。
都心には少し遠いし大して栄えた街ではないが、昼間には子供たちの笑い声が聞こえ、夜になれば虫たちの声が聞こえる、静かなこの街が少し好きになった。



部屋の中は秋の夜風がそよぐ涼しさとは異なり、昼間の日差しの暖かさを抱えたままで、今の私には何故か好きになれなかった。基本的に、私は暑さに弱く、汗をかくことや運動が好きではなかった。勿論、夏も好きではなかった。しかし夏の海や空はとても青く澄んでいてとても綺麗で大好きだった。今年も夏が終わるのかと思うと、今夏、一度も海へ行かなかったのを激しく後悔してしまう。夏はまた来年やってくるが、今年の夏はもうこない。今年の夏は終わってしまった。今はもう秋だ。